ハウスメーカーではなく工務店を選ぶ理由

2021.09.27住まいの基礎知識

家を建てたいと思ったときに、まず決めなければいけないのが施工会社です。
誰もが「こんな家にしたいな…」「ここだけはこだわりたいな…」
といった理想の家づくりがあるはずです。
そのイメージに合った施工会社を選べるかどうかで
自分の理想通りの家になるか、
イメージと違う家になるのかが決まってしまいます。
そのためには、信頼できる施工会社と契約することが大切です。

住宅建設会社にはハウスメーカーや工務店、ビルダーなどがありますが
今回は工務店についてまとめてみました。

工務店とは

ハウスメーカーよりも狭いエリアで住宅工事を請け負う業者のこと。
新築はもちろん、リフォームや増築工事も行います。

工務店といっても形態や規模によって次の３つの種類に分けられます。

１、地域密着型の工務店

拠点を置く市町村を中心に地域密着型で施工を行う工務店。
社長と数名の社員で成り立っていたり
家族経営だったりするパターンが多いです。
工務店と聞いて多くの人がイメージするのがこのタイプではないでしょうか。

２、フランチャイズの加盟店

各地域の工務店が本部のフランチャイズに加盟しているタイプ。
本部が開発した企画や工法を各地域の工務店で共有、施工する形態です。
建築資材なども一括で仕入れるのでコストも抑えやすくなります。

３、中堅ビルダーのような工務店

工務店の中では最も施工エリアが広く
近隣の県や市に支店や営業所を設置しているタイプ。
地域密着型でありながらハウスメーカーのように
住宅展示場やモデルハウスを用意していることもあります。

工務店とハウスメーカーの違いは

では、工務店とハウスメーカーを４つのポイントで比較してみましょう。

コスト

工務店
直接現場で施工を行うことで豊富な知識や実例が積み上がっています。
こうすれば安く済む、こうしたら要望に応えられる等
施工の知恵がついています。
管理コストの安い小規模な会社が多いので
ほぼ原価に近い金額で建てることができます。
ハウスメーカー
大量生産によって原価コストを抑えられます。
しかし、工務店よりも莫大な技術開発や広告費
運営に携わる人員も多いので人件費も膨らみます。

建築には直接関係しない無駄な費用が発生しにくい分
工務店の方がローコストで済むケースが多いでしょう。

プランの自由度

工務店
間取りや外構デザインなどのプランを施主と一緒につくりあげます。
オリジナルの家具を造る事ができたり
細かい部分にまでこだわる事ができたりとプランの自由度は高いといえます。
大手ハウスメーカーでは不可能な要望にも
近くの工務店なら対応してくれるかもしれません。
ハウスメーカー
工務店に比べると自由度はやや低いです。
建てた後の保証制度やメンテナンス体制が確立されています。
標準仕様として用意した間取りや設計以外のものを導入すると
不具合が起きた時の原因が分かりにくく
保障やメンテナンスが難しくなってしまうのでプランに規制が出てしまします。

よって自由度が高いのは工務店になります。

工期

工務店
工法やプラン、住宅の規模や時期にもよりますが
延べ床面積が35坪程度の住宅の場合は約4～4、5ヶ月かかります。
ハウスメーカー
約3、5ヶ月かかります。

全体の流れがシステム化されていて効率が良いため
ハウスメーカーのほうが短い期間で建てられます。

ですが、急な打ち合わせをしたいときなど
すぐに対応しやすいのは近くの工務店です。
朝の早い時間帯や夜の遅い時間帯でも
融通を利かせて対応してくれるところが多いです。

アフターメンテナンス

工務店
会社によって大きく異なります。
定期点検や保証の制度を設けているところもあれば
不具合があればすぐに駆け付けて修理してくれるという
地域の工務店ならではの手厚い対応が強みです。
ハウスメーカー
定期点検や保証などきちんと制度化しているところが多いです。

アフターメンテナンスは会社によって異なるので
事前に確認しておくことが必要です。

良い工務店を選ぶには

広告やテレビCМ、住宅展示場などで目にする機会が多いハウスメーカーに比べ
会社の特徴が見えにくいのが工務店です。
その工務店が何を大切にして家づくりをしているかは
ホームページを見ると分かってきます。
「〇〇を活かした家づくり」「〇〇の家」など
アピールポイントが書かれていることが多いので
自分の好みと合っているか確認してみましょう。

間取りの工夫やデザインを直接目で見て確かめる事ができる
完成見学会に参加してみるのも一つの手です。
完成見学会は工務店と施主に信頼関係がないと開けないものです。
完成見学会を多く開催している工務店は
それ程多くの方に信頼されているとも言えます。